お茶の美味しい淹れ方

お茶の美味しい淹れ方

日本茶の「おいしい」を作るバランス

日本茶は、香り、うま味、苦味、渋味のバランスが楽しめる飲み物です。産地や品種の違いによっても、香りや味は変わってきます。おいしく飲むには、これらの特徴をうまく引き出すことが大切です。

香りを楽しみたいときのお茶、うま味を堪能したい時のお茶、鮮やかな緑色を目で楽しみたいときのお茶など、気分やシーンに合わせて、お茶を使い分けるのも、お茶の楽しみのひとつです。

煎茶の淹れ方

さわやかな香りと、うま味・甘味・渋味があるのが煎茶の特徴です。
お湯の温度は上級茶で70℃、中級煎茶で80〜90℃くらいが適しています。
二煎目も美味しくいれるためには、一煎目を注いだあとの急須の中に、お湯を残さないのがポイントです。

◯まめちしき:上級・中級はなにが違うの?

煎茶について、「上級煎茶」「中級煎茶」と表記されていた場合、なにがどう違うのか、不思議に思うかもしれません。これは単なる価格差ではなく、お茶を摘む時期の早さで成分量が異なり、分類されます。
早く摘まれたうま味成分(アミノ酸)を豊富に含んだ煎茶を上級煎茶と呼びます。中級煎茶は、上級煎茶に比べると遅く摘まれ、苦味・渋味のもとであり健康成分でもあるカテキンを多く含んでいます。

番茶・焙じ茶の淹れ方

サラッとした味や香りが特徴の番茶や焙じ茶は、熱い湯を急須(土瓶)に直接注ぎ、30秒くらいで茶碗に注ぎ分けます。茶碗は厚手のものがよいでしょう。

◯まめちしき:焙じ茶の「焙じ」ってなに?

焙じ茶の「焙じ」は「焙じる(鍋などに食品を入れて、水分がなくなるまで熱する。また、あぶり焦がすという意味)」という言葉に由来します。 焙じ茶はその名のとおり、煎茶や番茶など高熱で焙じて作られます。色や香りが煎茶とはずいぶん変わりますが、特別な材料を使っているわけではありません。

玉露の淹れ方

甘く柔らかい味わいと豊潤な風味の玉露。特有のうま味を出すには、沸騰させてから、50℃〜60℃まで冷ました湯で、ゆっくりと淹れるのがポイントです。
二煎目は少し熱めの湯で風味の変化を楽しんでください。

◯まめちしき:玉露は特別な味?

玉露は、うま味成分であるテアニン(アミノ酸の一種)を豊富に含んでいます。
玉露が持つうま味を楽しむには、低温のお湯でじっくりと時間をかけて、うま味(テアニン)を浸出させるのが玉露の淹れ方のポイントです。
そのため、初めて飲んだ方、飲み慣れない方には「出汁のような味がする」と驚かれることもあります。「お茶」といっても、味わいや香りはさまざまです。ぜひ、いろいろなお茶を楽しんでください。

水出し冷茶の淹れ方

~フィルターインボトルを用いて~

ボトルにお好みの茶葉( 水100ml に対し1g の割合で) を入れ、水を注ぎます。適度な濃さになるように、ボトルを振るのがポイントです。
冷蔵庫で冷やしてからお飲みいただけば、清涼感も増します。

◯まめちしき:冷茶は渋味・苦味が抑えられる?

水出し冷茶は、時間をかけ抽出する、あるいは急速に冷やすことにより、甘み成分のテアニン( アミノ酸の一種) やビタミンCが壊されないため、渋味や苦味が抑えられ、甘くてまろやかな味わいとなります。
また水出し冷茶は、免疫細胞の「マクロファージ」がカテキンの1 種「エピガロカテキン」により活性化し、免疫力が高まるという研究結果も出ています。

お茶の保管方法

常温保存が最適

お茶は、酸素や湿気、温度、光の影響を受けて変質しやすい、とてもデリケートな食品です。その上、とても周囲の臭いを吸着し易いものです。このため、密閉できる容器に入れ、涼しくて暗い場所に保管することが基本です。

産地のお茶屋さんでは、変質を防ぐためにマイナス20~40℃の冷凍庫で保管しているくらいです。

お茶をたくさん入手した場合は

お茶をたくさん入手した場合は、10日分くらいを小分けするのがベターです。残りは缶をテープ等で密封し、さらにポリ袋に入れて冷蔵庫で保存する方法をお奨めします。こうすれば、臭いや湿気をシャットアウトできます。

家庭でお茶を保存する際の適温は5℃~10℃なので、冷蔵庫に入れておくのが最適です。ただし、急激な温度の変化は容器や茶の表面に結露を招きますから、冷蔵庫から出してすぐに容器を開けるのではなく、常温に戻してから使うようにしましょう。